映画「ジプシーのとき」に想う

昨日、クストリッツア監督「ジプシーのとき」を観た。DVDが出ておらず、大きなスクリーンで観られるのは滅多にないからまた映画館へ行った。

映画は、主人公ベルハンが家族を養うため、首領にそそのかされてミラノへ行く話。人身売買やヨーロッパの観光地でよく見る物乞いの風景、その裏側が一人のロマの男の子を軸に展開する。映画のためにコミュニティを演出したという感じは全くなく、まるでドキュメンタリーのように、あるコミュニティの生活風景を映し出したよう。馬、犬、アヒルや七面鳥と一緒に暮らすドタバタ感がリアルで、現地そのものを記録しているように見える。

映画を観ながら、かつてご縁があったアルバニアのロマのコミュニティが交差してくる。ベルハンが家族と離れ、村を出るシーン。車から遠ざかる風景が、当時仕事を終えて、くたくたになって後にするコミュニティの風景と重なる。ベルハンが出るとき、近所の人たちが楽器を演奏し、歌で送り出す場面で、数年前、ロマの少年たちとアルバニアでコンサートを開いたことが思い出された。

どうしてるかな、、、と気になる。初めて会ったときから、ものすごい才能に溢れていて演奏し始めると、止まらない人たちだった(動画)。彼らの音楽が大好きだった。コンサートから2、3年後、再度アルバニアに戻ってきたとき、当時の同僚に彼らのことを尋ねたけど、全くどこに行ったか音沙汰がないと言ってた。元気かな。ロマの人たちはみんな知り合いのようなものなので、またアルバニアに行くときには、人伝に探して会いたいなあと思う。




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