コソボの空と電力

コソボの空は黄色い。

それは、この発電所(2基)のせいです。首都プリシュティナのすぐ近くで毎日せっせと噴煙を吐き出す煙突。夕方には信じられないような夕焼け空になります。特に、発電所付近の町では、建物の屋根に粉塵がふわっと積もってたりして、住民の健康問題もあるだろうと考えてしまいます。

もう一つは、冬場のコソボはとても寒く、家庭では薪を使って暖をとるのが一般的なので、どこに行っても煙い。。ホテルの部屋まで煙い。

この国の電力の98%は、トレプチャなんかで採れた亜炭(質の悪い石炭)を燃料にしています(残り2%は水力)。発電所Aは40年前、Bは27年前の旧ユーゴ時代に建てられたものです。当然エネルギー効率も悪く、電力供給は不安定で計画停電が起きます。

最近コソボ政府はエネルギー戦略を打ち出し、発電所Aは閉鎖、BをEUの環境基準に満たせるよう修復する;再生可能エネルギーを利用;電力供給会社の民営化(発電と供給の会社が別)、、等が打ち出されているものの、Aを閉鎖後に更に広がる需要と供給のギャップをどう埋めるかが大きな課題なんです。

また、アルバニアでもそうなのですが、電気料金の回収がうまくいっておらず、電気サービスの向上につながりにくいのですね。B修復事業は世銀の融資案件なのですが、難しいプロジェクトだけど、どうにかこの国の空がいつか青くなり、コソボの人たちが更に健康的な生活を送れるよう成功させてほしいです。



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