目からウロコが出た話。

フィアー(Fier)のコミュニティへ行ったときのこと。同僚(アルバニア人)が障害のあるロマの人がいるから、彼が施設から車いすをもらえるよう申請の手伝いに行くというのでついて行った。

この国で最も貧しいとされるロマ、それでもって身体に障害があるとなると、どんなだろう。。かなりハードな状況なんだろうな、、と思って向かう。

家に行くとその人は庭の隅で日向ぼっこしていた。

うーん、なんかちょっと想像と違う。というか、家もかなり広くて立派な感じ。いい家具もあって壁もしっかりしている。本人にあいさつして、車いす申し込みの説明をして、世間話をして帰る。

車の中で「どうだった?」と同僚に感想を聞かれ、「うーん、、、。家だけみると生活環境はそこまで大変そうな感じはしなかった」と答える。

何やら同僚が語るに、日向ぼっこをしていた彼は、共産主義が崩壊したときに兄弟とイタリアへ渡り、イタリアで物乞いをして稼いだお金であの家を建てたとのこと。帰国した今もときどき市内で物乞いをして、母親や妹が身の回りの世話をする代わりに彼が家族を養っているとのこと。

なんか、その話を聞いたとき、目からうろこだった。ふえー、、生きるってこういうことか、、とタバコくわえながら日にあたるおっさんが思い出される。Resilienceとはまさにこのこと。。泥臭く、強く、たくましい。。

健康や経済的に恵まれない人=弱いと決めつけてた気がする。もちろんそれぞれ状況は違ってて、辛い環境の人も沢山いるからプロジェクトがあるんだけど、個別のケースを十分に理解していなかったと思った。援助を与える側が相手に対してハンコを押したみたいに画一的に捉えすぎたり、一方的に決めつけてる部分もあると気づかされた出来事なのでした。。現場でひろった宝のような教訓となりました。。。

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