「デモ」と「蜂起」と「暴動」と。

先週金曜日に、ティラナで暴動が起きました。
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20110122k0000e030016000c.html

「デモ」は職場から歩いて3分、ほんの1ブロック離れたところで起きました。当日、勤務先では帰宅命令が出て自宅にこもっていました。私のアパートからも暴動があった数時間、ずっと銃声が聞こえ黒い煙が立ちのぼる様子が見えました。その間、ずっとテレビの中継を見ていたのだけど、たくさんたくさんの人達が集まって首相官邸に向かって雨のように石を投げつけたり、車に火をつけたり、消火にきた消防車をまた石とか棒で襲ったり、「デモ」というよりも破壊行為としか思えなかった。終わった後も市内に散らばり、暴力行為を繰り返したらしい。

ここには海外メディアもいないし、アルバニアにいながらも正確な情報が英語で手に入りにくく、その点に関しても事態が落ち着いたのかとか今どうなってるのかとかわからず不安に感じるところです。実際、中継を見ていたにも関わらず、3名が犠牲になったことは翌朝にローマの日本大使館の安否確認の連絡を受けるまで分からなかった。「デモ」の終わった翌日(土曜)とか日曜とか、外に出ても大丈夫な状態になったのかさえ分からず怖かった。職場の広報課が一日に一回、アルバニア語の新聞の関連記事を英語に訳してスタッフに流しているのだけど、それだけがほとんど唯一の情報源なのが苦しい。

アルバニアでは日本人はおろかアジア系の人たちもいなくて、こんな非常事態のときに明らかに外国人の自分が出歩くことがとても危ないのではないかと思う。

今週の金曜日にもまた野党(社会党)が「デモ」を呼びかけているので怖いです。先週の行為によって人命が失われたため、今回は「平和裏に」行うよう指示しているそうだけど、本当にそんなことを野党の党首が期待し、集まった人々が冷静に行動するのか疑問に思う。政権が転覆しそうな首相は「次回首相官邸に対する破壊行為が行われれば、想像もできない方法によって野党に報復する」と述べている。

最初に「デモ」があると聞いたときは、メガホン持って、声を合わせてマーチング、時間がきたらおつかれさんみたいなものを無意識に想像してたけど、私は間違っていました。時間が経つにつれ、警官が、市民のために働き市民を守るはずの警官が、一般市民を撃ち殺すという事実(もっとも与党は「デモ」に参加した人々を「野党によって雇われ、武装した犯罪者」と呼んでいる)、そして政権争いのツールに人々をあおり動員する政党、、、。狂気の沙汰。

日本に帰ったとき、人から「夜一人で歩いて、その日に何も起きなかったから、その国は安全だなんて絶対に思うな」、「情報がないという状態が一番怖いんだ」とか口すっぱく言われたけど、やっと分かった気がする。

コメント

  1. 無事でよかったです!!
    余裕があったら、ブログ、メール何でもよいので、ご連絡くださいね!

    返信削除
  2. 本当にねぇ。
    私も何回かデモに遭遇したけど、あんまり危機感持ってなかった自分を、この度改めて反省しました…
    彼は子供の頃に、97年の暴動時にたまたま、今回の場所で人々が乱射しているのに遭遇してるから、いつも危機感の薄いわたし戒めていましたが、今になって、彼の気持ちがわかりました。

    気をつけてね。

    返信削除
  3. あ、そういえば、TVSH(Televizor Shqipetar)かどこかが6時だか6時半からニュースを英語でやっているよ!

    返信削除

コメントを投稿

人気の投稿